七竈アンノ先生による『ミズハコセカイ』は、美少女JKとアクアリウムという、男性アクアリストにはたまらない世界を描いた漫画。
2017年5月30日よりヤングキングアワーズ(少年画報社)にて連載されていた漫画のコミック化。
残念なことに連載はすでに終了(最終回)していて、この1巻で作品は完結されている。
ミズハコセカイ レビュー
ミズハコセカイは気力なし、趣味なしの冴えない大学生「源 流」と、アクアショップの看板娘の女子高生「杏優」との熱帯魚店を舞台にした、アクアリウムとちょっとしたラブコメの物語。
悩みを抱え熱帯魚店の軒先で水槽をぼんやりと眺めていた流。
流されるままに生きて悩みなさそうな魚を羨ましがる。
そこへ熱帯魚店の店長の娘だという女子高生の杏優に声をかけられるままに店内へと導かれ、アクアリウムの魅力をこれみよがしに語ります。
最初に飼う魚としてチョイスしたベタについてのノウハウを力説する横で、魚よりも杏優の魅力にとりつかれる流。
杏優の部屋に招待され胸元に抱き寄せられるという、うらやましいシチュエーション。
とはいっても、これもアクアリウム絡みでの展開でなっただけで、恋愛感情からなるものではないのが残念だが。
各回の最初の表紙にはちょっとした杏優のサービスカットが描かれています。
ストーリー上では残念なことになかった水着回も、表紙でビキニ姿の杏優に出会うことができます。
熱帯魚では師匠の杏優に、フルート経験者の流が吹奏楽部初心者の杏優に教えるシーン。
教えるといって下腹部を触ってしまうが、下手すりゃ捕まりますというところだけれど、フルートでの間接キスもまぁいっかというノリなので大事にいたりません。
ラブコメシチュエーションもありますが、なんといっても本作はアクアリウムについて語る作品。
熱帯魚のノウハウやウンチクも紹介されています。
この熱帯魚がこんなこと喋っているんだろうなという妄想で描かれたセリフと動きが、「動物のお医者さん」を彷彿させる感じで好きです。
熱帯魚の裏面は人によってはグロテスクに感じられるわけで、それ系が苦手な人はちょっと気色悪いかもしれません。
熱帯魚の生体兵器という表現がツボにはまりました。
コケ取り用として入れても、最初は食べてくれていても、そのうち餌にくいついて、コケはとってくれなくなったりするので、なかなか思うような効果がでないのが現実です。
金魚と熱帯魚の混泳は可能か?
私もよく考えてはやめている組み合わせ。
金魚と熱帯魚の混泳というなかなかレアな話をいれてくれていました。
これは目からウロコ、このウンチクだけでもこのコミックスを買ったかいがありました。
高い位置にある水槽の魚をとるのに女子高生を肩車するという美味しいシチュエーション。
杏優は無意識だが、あとから友達に指摘されてはずかしがっているところがカワイイ。
グラミーの触覚の特性をユーモアに描いていて、とてもホッコリします。
うちで飼っているパールグラミーにやってみたら、逃げられた。現実はそうはうまくいかないです。
「もう初めてじゃないんだし」って意味深ですが、あくまでもアクアリウムについての話です。
大学生と女子高生の会話としてはNGというような誤解をうむアクアリウム会話があちらこちらにちらばっています。
淡水から海水への話がでたところで物語は終了。
もっとたくさんのアクアリウムトークが聞きたかった。
そしてこの二人の恋の進展も見たかった。
これで終わってしまうのは残念ですが、あまり深掘りせずに今後の含みをもたせたくらいが丁度よいのかもしれませんね。