金田陽介『寄宿学校のジュリエット』第13巻のレビューです。
恋仲がばれた二人
主人公の犬塚 露壬雄(いぬづか ろみお)とヒロインのジュリエット・ペルシアは秘密の恋仲。
対立する2つの世界を変えるために奮闘するが、監督生選抜選挙投票日当日に、狗神玲音の策略により恋人同士であることを暴露される。
それにより、黒犬と白猫の両生徒から避難を浴びる。
挙げ句の果てにペルシアが男装してジュリ男として黒猫の世界に忍び込んでいたことまでばらしてしまう。
ジュリ男のことを本当の友達として信じていた丸流が裏切られたとして、ペルシアにタイマン勝負を挑む。
しかし、戦いつつもペルシアから「黒猫で初めてできた友達」という言葉で目が覚めた丸流は二人の味方につく。
それでも両寮の生徒たちは収集がつかない。玲音は恋仲になったことを過ちだったと認めれば追放だけは避けられるかもと二人に分かれを迫る。
わかってはいたが、二人の気持ちと決意は変わらない「この恋は間違ってなんかいない」。
そして、ながれは一気に快方にむかう。
今までの仲間たちが声をだして味方になってくれる。
昔からのいがみ合いではなく、競い合い、そして仲良く新しい時代を創っていく。多くの生徒が思っていても気づかぬふりをしていたこと。それを声に、行動にする時がおとずれた。
自分たちの意志で変わることに賛同する生徒たちにより、犬塚とペルシアはついに世界を変えることに成功した瞬間だった。
公認カップルになった二人に次なる試練
めでたく公認の恋仲になった二人。監督生代表にめでたく就任した二人。
二人でランチをとる姿に、本人も周囲もいまだに信じられない光景にみえる。
なれない二人は他の生徒の声が聞こえると条件反射で隠れたり、殴り合うフリをしようとしたりと、今までカモフラージュしていたことがコミカルな一面にみえてしまうから不思議だ。
そして、二人をはめた玲音は居場所がなくなり学園を去ろうとするも、居場所をつくり仲間として迎える犬塚の男気もみれます。
犬塚とペルシアは恋人同士でありながら、学園のことで忙しすぎて二人だけのプライベート時間がほとんどなくなってしまう。
「2人だけで会う時間も大切にしたいから」。じっくりと二人の仲は進展している。
これから二人は三年生に認められるため、そして、分断されていた学園を世界を変えるために一歩一歩着実に前に進んでいる。
『寄宿学校のジュリエット』は13巻で事実上、第一部終了のような感じだ。世界を変えるという犬塚がペルシアへ告白したときのセリフを達成した。
でも二人はさらにその先を突き進む。まだ完全には埋まっていない両寮生の溝をなくす為。
まだ続く世界を変える戦いに注視しつつ、ラブラブカップルのリア充爆発しろシチュエーションが増えていくことにも期待です。