無料漫画アプリ『マンガワン』で連載中の十三木 考『トラップヒロイン』の27話後編(4巻収録見込)のレビューです。
演劇対決に向け穂月の特訓が続く
文化祭のクラスの出し物として演劇を行うことになったチロダのクラス。
演題は「ロミオとジュリエット」。ジュリエット役は小日向に決定。
その相手を決めるのに神宮寺とチロダが実際に演じて決めることになった。
美少年の神宮寺が有利の中、穂月がチロダへ演技指導を行う。
着実に成果をあげ、役を演じきれるようになるも、たったひとこと「性別なんて関係ない」というセリフだけが詰まってしまう。
それは劇でありながら、ジュリエットに向けた言葉ではなく、小日向に向けた言葉として感じてしまうからというのがミエミエな状態。
オーディション当日、ロングヘアー姿の貴重な小日向
迎えたオーディション当日。
本番さながらの舞台状況、そしてドレスをまとい、ウィッグでロングヘアーの美少女と化した小日向がいた。
鉢合わせた二人の表情がこわばる。
声をかける勇気がでないチロダ。始まる前からこんな心理状態で本番は大丈夫なのだろうか、そんな不安にかられてしまいます。
一方でオーディションは神宮寺から始まる。
ビジュアルも演技も完璧。
もちろん「性別なんて関係ない」というセリフも何のためらいもなく演じきる。
そう今回のロミオとジュリエットは改変されている。見た目は女性のジュリエットが実は男性であること。
対立する両家の息子、つまり男同士が恋に落ち、社会から翻弄され、最後に死で幕を閉じるというもの。
小日向の今を映し出したかたちに物語が作られている。
だからこそ、チロダは「性別なんて関係ない」というセリフに躊躇しているのだろう。
頑張りすぎるのは穂月自身のため
今回の出し物について友人から「頑張りすぎじゃない?」と言われるほど、積極的に参加している。
しかし、それに対して発した言葉は「私のためよ。」
穂月の心中も複雑で穏やかではないようだ。
自分のやりたいように
神宮寺の役になりきった演技におされているチロダ。
カンタンな事で悩み、練習に付き合ってくれた穂月のため、そして小日向とチロダ自身との関係のためにも絶対に勝たないといけないというプレッシャー。
緊張をほぐしてくれたクラスメイトの言葉「もっと単純に、自分のやりたいようにやれば良いんだ」。
この一言で何かが吹っ切れたチロダは小日向のいるステージへと、演技ではなく、自分の想いを伝えるためにステージへと向かう。
次回28話前編の更新日
神妙な面持ちの小日向。
かなり待たされたチロダとの直接対話。
『トラップヒロイン』の最新話が無料で読めるスマホアプリ『マンガワン』で、続きの28話前編が更新されるのは2週間後の2019年6月16日午前0時。
1話が2分割されているので話が進むのが遅い。
終わり方も読者がやきもきするような、ものすごい気になる終わり方をするのがまたにくいな~
なんにしても、演劇とはいえ二人が向かい合って話すのは久しぶりなので、どういった会話がされるのか楽しみすぎて夜も眠れません。