藤近小梅『好きな子がめがねを忘れた 2巻』の感想レビューです。
Twitterに掲載されたショート10編、、ガンガンJOKER連載の4編に加え新規描き下ろしも収録したコミック。
小村くんは好きな気持ちをぶつけるも空振り
『好きな子がめがねを忘れた』は、「好き」って言えない、そんな距離を保った学園ラブコメ。
ちょっぴり奥手な男の子の小林くん。
小村くんは隣の席の三重さんに片思い中。
三重さんは普段はめがねを掛けているけど、高い確率でめがねを忘れてしまう。視力が悪く、めがねを掛けていないと絶望的なくらい見えない。自然としかめっ面になるし、対象物をハッキリと認識させようと、無自覚に近くまで距離を詰めてくる。
好きな女の子の顔が間近までせまれば、思春期の男子なら当然ドキドキしてしまう。そんな日が続く。
小村くんは必死に好きな想いを伝えようとしますが、なかなか不発に終わり、思うように三重さんに好きが届かない。
嫌いなコンタクトを無理に装着しようする三重さんに、教室で「めがねもコンタクトなくても俺が三重さんのこと守るから」って、もう公開プロポーズのごとく発言をしてクラス中から注目されてしまうような状況下になっても、それでも好きな想いはまったく届かない。
バレンタインデーには、小村くんの分も用意してきた友チョコが不足してしまった際、お願いをひとつ聞くと提案され、告白を試みようとする。
嫌われるかもしれない、今の関係が壊れるかもしれない、そう思うと情けない顔をしている。でもめがねを忘れて表情が見られていない今なら気持ちを伝えられるかもしれないと、好きな気持を声にしたいのに声がでない。
今じゃない。きちんと顔を見てもらって、真っ向から告白したい。そう思った小村くんの男気に拍手を送りたい。
三重さんが恋心を自覚すること待ちな展開
三重さんが小村くんのことは友達と名言しています。
しかし、気づかないだけでおそらく既に小村くんのことを好きな気持を持っていると思われるシーンが散りばめられています。
風邪気味でめがねにマスクという格好で登校してきた時には、別の男子が同様な姿で不審者かよとおちょくられているのを耳にして、小村くんに不審者と言われることを連想して、すぐさまめがねを外すシーン。
意識している異性でなければ、そこまでしないはずです。
友達と登校中に、友人にめがねをかけていないと睨んでるみたいに眉間にシワがよってそれが定着しないかと心配されます。
指摘されたことで意識的に眉間にシワを寄せないよう、目を見開いた状態の練習をします。
ぱっちり瞳で見られた小村くんは悶絶もんです。コンタクトにすれば、普通の美少女ですから。
さらに異性として意識している発言がありました。
遅刻しそうで長い髪を乱しながら汗だくで走る三重さん。今日もめがねを忘れて、当人が横にいることに気づかないで「これで小村くんんいおはようするのちょっとやだな、髪ととのえる時間あるのかな」なんて、明らかに小村くんの目をきにしている発言。
クラスメイトの女生徒と不慮の事故により壁ドンのシチュエーションをしてしまった小村くんを見つけるや否や、条件反射的に間に割って入り引き剥がす。
当人はなぜそんな行動をとったか自覚できていないですが、クラスメイトたちには周知の事実のように公認カップルにみられている感じ。
そろそろ恋仲に進展するか?
キス待ち顔の三重さん。
実際は落としたメガネを拾って、かけてもらおうとしているだけな訳ですが、普通は異性に対してこんな表情してこんな無防備なことさせないでしょう。
特別な好きという感情は確実にもっているのに、それがLOVEだということに気づかない三重さん。
それでも恋仲へ着実に近づいていることが見て取れます。
2019年冬に発売予定の『好きな子がめがねを忘れた 3巻』の予告では「私、小村くんのことひとりじめしたくなっちゃう」という意味深な発言をしています。
「移動教室も、課外授業も、なにげない放課後も。めがねを忘れた距離は、なんだか世界に二人だけみたいで。」
そんなラブストーリーものの映画予告のようなシリアスな予告ページに、今から楽しみでしかたありません。