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【妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~】レビュー:精神疾患を患った作者が妊娠して病院で受けた実体験

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妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~ 初見レビュー

橘ちなつ『妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~』。タイトルからして凄みのある女性向け漫画。
この漫画の凄いところは、何と言っても作者である橘ちなつ氏自身の実体験をもとに描かれたものだというから驚きだ。
結婚前、少女漫画家とをしていた千夏は昼夜を問わず仕事に没頭することで心と体のバランスを崩した。

鬱と診断され、抗不安薬を処方され飲んでいた。飲めばホッとしてラクになれる。ただし依存度が強くでるデメリットもあり、完全な断薬が難しとも言われている。
しかし千夏は断薬に成功し、鬱から完全に脱したと信じていいた。

やがて、友人の紹介で5歳年上の薬剤師の男性と出会い、結婚した。

結婚すれば、おのずと多くの夫婦が望む自分たちの子供。
千夏も「妊娠出産」に強いあこがれをもっていた。

出産をすればもっと幸せでにぎやかな日々がまっている。赤ちゃんのお世話は大変だけど、それを上回る笑顔あふれる幸せな日々が待っているのだと信じていた。

過去の精神疾患を知っている旦那は妊娠に対して不安をもっていた。薬剤師だからよけいに病気について、患者さんの現実を見てきているから余計に心配だったのだろう。
千夏はそんな旦那を説得し、妊活をえて見事に妊娠した。

しかし、理想と現実のギャップは天国と地獄ほどのギャップがあった。

精神病院で手足を拘束される。自分では抑えられない衝動に精神も肉体も完全に極限状態になっていた。

そんな千夏が精神病院で心無い言葉を看護師に浴びせられる一コマも。

どんどん薬が強く、そして医師からも責められるような言葉を言われ、やがてあんなに待ち望んでいた自分が産んだ子供の翼さえも、敵にみえて産むんじゃなかったと後悔の念にとらわれるようになる。

自分はいらない存在。壊れた嫁なんてと自暴自棄になる千夏。

そんな時に旦那がかけた言葉が格好良すぎて泣ける。でもうわべの言葉ではなく、本当に望んでいること。家族三人で笑顔で暮らす日々を夢見て、旦那も奮闘していたのだ。

医師もキツイ言葉を投げつつも、患者をモノとして扱っているわけではなく、実際は必死になって思索を練っているシーンがありそこは救われた。
漫画は電子書籍で2巻まで発売されていますが、まだ終わっていないので、この先の幸せな家庭にもどるハッピーエンドを早くみたい。
妊娠から出産をすることでホルモンのバランスの変化についていけず、体調も精神的にもつらい時期をすごす妊婦さん。精神疾患を患い闘う現実と苦悩を実際に体験した作者だから感じられるリアリティと迫力ある描写。
残酷な過程に目を背けたくなる場面もありますが、『妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~』を読むことで、女性はもとより、男性も妊娠・出産の大変さ。それにこういった病気に対する理解ができる人でいたいと感じた漫画。

あらすじ

あらすじはというと、最愛の人と結ばれ、ふたりの愛の結晶を授かる。それはとてもステキなことで、幸せの象徴であり憧れの対象だった。そして努力の甲斐あって念願の妊娠。自分も家庭を持ちこれから親子3人の幸せな生活が待っている――――はずだったのに。どうして私は精神病院に入院しているんだろう…? 勝手に動き出す足、突然やってくるナゾの恐怖感、死への衝動…、妊娠を契機に始まる数々の体の不調。マタニティーブルーではとても説明できない原因不明の症状に翻弄された作者が、実体験を元に描く驚愕のストーリー!!

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