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娘の友達 第4巻 レビュー:社会的地位を持ちこたえる中年に追い打ちをかける母娘

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萩原あさ美氏が描く中年サラリーマンと娘の友だちJKとの、年の差背徳サスペンス漫画『娘の友達 第4巻』が届きましたのでレビューします。

娘の友達 第4巻 あらすじ

僕の世界と、君の世界は、何%重なっている?
娘の友達・古都との秘密の関係は、ついに終わりを迎えた。
「おかしい」「変」「普通じゃない」
娘の哀しい叫びは、誰が聞いても真っ当で、明らかに悪いのは自分のほうだった。
でも、“普通”ってなんだろう。
人は他者と、いったいどれくらいの価値観や倫理観を共有できているのだろう。
再びどん底まで堕ちた時、娘の友達のことが脳裏に浮かんでしまう僕は、やはり“普通”じゃないのだろうか。
いや、そもそも、僕と彼女ですら、本当に同じ景色を見ているのだろうか。

娘の友達 第4巻 レビュー

中年サラリーマンの晃介はヒロインの女子高生である古都と密かに会っていた。一線は越えていないにせよ、年がかけ離れた二人がデートをするなど、「普通」ではありえない状況。
娘の美也は古都と親友、そして会社の部下である女性社員、晃介が最も恐れるのはこの二人に古都との関係がバレること。
家庭と仕事の両方を失い、同時に社会的地位も失いかねない事態に陥る。
そんな破滅的状況がいともあっさり実現してしまう。

動揺しまくる晃介とは逆に、堂々たる受け答えで周囲をあざ笑うかのごとく淡々と持論を展開する。
秘密の関係に対して普通じゃないという美也。
それに対して「普通って何?」と逆に問いかける。
確かに普通という言葉は人それぞれの価値観による曖昧な基準。
大多数が年の差カップルがいれば異常と思うかもしれない。
でも、当人たちは一緒にいるのが当たり前だと思う。
普通という言葉の倫理観は、こと色恋沙汰においては余計に異なってくるのだと考えさせられる重い言葉だった。

古都の母親は旦那が他の女と会っているいうことで精神を病んでいる。
それが古都に対する執拗なまでの干渉へと発展している。
この家庭環境があったからこそ、古都が晃介に惹かれるきっかけとなったことは間違いないので、この物語を語る上では重要な存在でもあるのだけれど。
母娘ともどもサイコパスな感じがして、たとえ美少女相手であっても私なら関わりたくないと思えるほどです。

美也と学校で出会ったちょっとワルが入っている男子生徒の三崎。
いまいち三崎という人物のキャラがみえない。チャラ男なオーラを出しているものの、美也のことは本当に心配しているような印象も受けるので、本心がなかなかみえてこないキャラクターになっている。

古都のインスタントカメラのフィルムを現像して、そこに様々な思いが一気に流れ込む。

そして二人は再会。

晃介から古都を抱きしめにいく。

まんざらでもない表情。しかしその真意はいまだに読めない。
恋愛感情を一旦は否定したような発言が過去にあったが、もしかしたら本当に好きという感情があるんじゃないかともみてとれる。というか、そう信じたいのだけれど、ハッピーエンドを期待する反面、娘の友達に関してはそれは違う気もしなくはない。
ここがサスペンスホラー的な展開がつくれる一つの要因だとは思うんだけど、ここまでよくわからない女性キャラも珍しい。でも、それこそがこの娘の友達という漫画の最大の魅力でもあるんだと思っています。
両思いハッピーエンド好きな私でも、ことこの物語に関してはバッドエンドを少し期待してしまう。

そして、古都の母親は娘の部屋にあった手紙を勝手に読み、晃介に好意をもっていることを知り、晃介に直接的に攻撃をはじめる。
2020年8月発売予定の娘の友達5巻では色々な意味での古都母娘の猛攻が始まる。
毎週コミックDAYSで単話を購入するほど、ヤバいくらい物語に引き込まれています。

商品概要

コミック: 192ページ
出版社: 講談社
ISBN-10: 4065196361
ISBN-13: 978-4065196366
発売日: 2020/5/13

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