『陰の実力者になりたくて!』は逢沢大介先生によるラノベ。
小説家になろうで2018年1月に掲載、その後商業誌として発売され200万部を突破。4巻以降ではWeb版とは異なる物語展開となっている。
個人的には小説は未読で、コミカライズされた漫画とTVアニメで楽しんでいます。
あらすじ
『我が名はシャドウ。陰に潜み、陰を狩る者……』
みたいな中二病設定を楽しんでいたら、まさかの現実に!?
主人公でも、ラスボスでもない。
普段は実力を隠してモブに徹し、物語に陰ながら介入して密かに実力を示す「陰の実力者」。
この「陰の実力者」に憧れ、日々モブとして目立たず生活しながら、
力を求めて修業していた少年は、事故で命を失い、異世界に転生した。
これ幸いと少年・シドは異世界で「陰の実力者」設定を楽しむために、
「妄想」で作り上げた「闇の教団」を倒すべく(おふざけで)暗躍していたところ、
どうやら本当に、その「闇の教団」が存在していて……?
ノリで配下にした少女たちは勘違いからシドを崇拝し、
シドは本人も知らぬところで本物の「陰の実力者」になっていき、
そしてシドが率いる陰の組織「シャドウガーデン」は、やがて世界の闇を滅ぼしていくーー。
側近No.1の統括役アルファは愛しさも最高
私の一推しキャラクターが金髪美少女エルフ『アルファ』。
主人公『シャドウ(裏世界)、シド・カゲノー(モブ)、影野ミノル(現代)』が展開する組織シャドウガーデンの最初のメンバーであり、精鋭部隊「七陰」の第一席で統括役的な存在。666人の頂点に立つお方。
強さと知性、そして美貌を備えるアルファ。
誰からも一目置かれる立場であるが、醜い化け物とされていたことを助けられてから、シャドウに対する信頼は強く、依存している感がある。
とはいえ、シドが思いつきではじめたごっこ遊びとは知らずに信じて突き進むアルファ。健気を通り越して悲劇のヒロインではという感もあります。願わくば、真実を知らないままでいて欲しい。そうでないと命と青春時代の全てをかけて取り組む彼女があまりにも報われない。
アニメでの距離感がバグっている
アルファの魅力をたっぷり感じたのは第4話。
シド・カゲノーがミドガル王国の第二王女「アレクシア・ミドガル」誘拐の冤罪をかけら、拷問に近い尋問を受けて帰ってきた部屋でのワンシーン。
夕陽をバックに主人の帰りを待ち受けている姿。
スタイルも抜群。
その後は猫のような甘える感じで四つん這いでシャドウを見るその表情は恋する乙女?
優しいいい表情しています。
ミニスカートの後ろからのローアングルは反則です。
正妻っぷり炸裂。
冤罪に対する心配と同時に、ベットに靴を履いたまま寝転がっているので、靴を脱がせてきちんと揃えて置くとか、良い奥さんになりそうです。
普段はキリッとしているのに、シャドウと二人だけのときに見せるこの甘えん坊な感じとのギャップに尊死してしまいそう。
もうキスしてしまうんじゃないかというくらい、正面から顔を近づけます。
動揺しないシャドウは女性に対する性欲とかないんじゃないかな?
良い香りがしてきそうな美少女がエルフがここまで密着してなんともないのは、逆に異常ではないでしょうか(笑)
漫画ではシリアスな展開も
TVアニメでは良好な関係を築きあげていますが、シャドウの自己本位っぷりの酷さには少しひきます。
モブとしてのかっこよさを追求するのは良いのですが、一時的にアルファをもう不要なんじゃないかと思わせるようにさせる行動はいかがなものかと思ってしまいます。
「それでも理解し支えたいの!私達を救ってくれたあなたのために!!!」
ここまで思ってくれているのに、結果としてはアルファを含めた組織の為の行動とはいえ、もうちょっとどうにかできないものかと思ってしまう。
※おそらくコミック10巻に収録されると思われます。
裏切られた(実際はシャドウは裏切っているわけではないが)と知って、足手まといじゃないから、側においてほしいと懇願するような一途っぷりに涙がでる思いです。
「強くなったね」と声をかけられるも、自分の実力不足で捨てられたと感じる悲しみから涙を流すアルファ。
絶望に打ちひしがれるアルファに背を向け去るシャドウに、「待って、置いて行かないで」と懇願する。
読んでいて心が痛い。
自分は不要な存在とわかったのであれば「私はこのまま消えるわ」と、あくまでもシャドウのことを一番に考える。
健気な姿。もうメインヒロインはこの子で決定でしょう。
シャドウの本当の目的を知って安堵に涙する。
「よかった。私達は見捨てられてなんなんかいなかった・・・」
守りたいこの笑顔。
シャドウも利用するだけではなく、ちょっとはお慕いしている女性たちのことを考えてほしいものです。
それだと主人公のキャラや目的といった本作の軸がブレるのでだめなのはわかるんだけどね。
主人を信じて疑わないこのま直ぐな瞳。
この子たちに幸せな日常をもたらしてほしいものです。