Appleの最新M4チップを搭載した「MacBook Air 15インチ」と「MacBook Pro 14インチ」が登場し、売り切れることはありませんが密かに注目を集めています。
軽量で大画面のAirか、パワフルでプロ向けのProかで悩む方も多いかと思います。
私もその一人で、実際に「M4 MacBook Air 15インチ」の新色スカイブルーに惹かれ購入しましたが、その後に「M4 MacBook Pro 14インチ」スペースブラックに買い替えました。
本記事では、デザイン、性能、価格、バッテリー駆動時間など、あらゆる角度から両モデルを比較しつつ、なぜ買い替えたかをメリットとデメリット含めつづっていきます。
M4チップがもたらす革新
AppleのM4チップファミリーは、2024年5月にiPad Pro(第7世代)で初登場し、その後Macシリーズにも展開されました。M4シリーズは、標準の「M4」、中位の「M4 Pro」、最上位の「M4 Max」の3種類で構成され、それぞれ異なるニーズに対応します。以下に、各チップの仕様と特徴を詳細に紹介します。
M4(標準モデル)
概要: M4はM4シリーズのベースモデルで、エントリーレベルのMacBook Air、Mac mini、iMac、iPad Proに搭載されています。日常使いから軽いクリエイティブ作業までをカバーするバランスの取れた性能が特徴です。
仕様
- CPU: 最大10コア(4高性能コア+6高効率コア)。低容量モデル(256GB/512GBストレージ)では9コア(3高性能+6高効率)構成も存在。
- GPU: 10コア。ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング、ダイナミックキャッシング、メッシュシェーディング対応。
- Neural Engine: 16コア、最大38兆オペレーション/秒(TOPS)。
- メモリ: 8GB、16GB、24GBのLPDDR5X統一メモリ(帯域幅120GB/秒)。
- 製造プロセス: TSMC第2世代3nm(N3E)、トランジスタ数280億。
- メディアエンジン: H.264、HEVC、ProRes、ProRes RAW、AV1デコード対応。
- 接続性: Thunderbolt 4(最大40Gbps)、USB 4、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3。
特徴
- M4は、前世代のM3と比較してCPU性能が約20%向上、GPU性能が10~20%向上。
- シングルスレッド性能は業界トップクラスで、GeekbenchなどのベンチマークでAMD Ryzen 7 9700XやIntel Core i9-14900Kに匹敵。
- iPad Proではファンレス設計のため、持続負荷時の消費電力は約7W(ピーク14W)。MacBookやMac miniでは冷却ファン付きで最大40Wまで対応。
- 新機能として、Tandem OLEDディスプレイ対応やAV1ハードウェアデコードを初搭載。
用途
文書作成、ウェブ閲覧、動画ストリーミング、軽い写真編集や動画編集に最適。学生や一般ユーザー向け。
M4 Pro
概要: M4 Proは、プロフェッショナル向けの中位モデルで、MacBook Pro 14インチ/16インチやMac miniに搭載されています。開発者、研究者、クリエイター向けにスケールアップした性能を提供します。
仕様
- CPU: 最大14コア(10高性能コア+4高効率コア)。
- GPU: 最大20コア。レイトレーシング性能はM4の2倍。
- Neural Engine: 16コア、最大38兆オペレーション/秒。
- メモリ: 16GB、24GB、32GB、最大64GBのLPDDR5X統一メモリ(帯域幅273GB/秒、M3 Pro比75%増)。
- 製造プロセス: TSMC第2世代3nm、トランジスタ数約400億(推定)。
- メディアエンジン: H.264、HEVC、ProRes、ProRes RAW、AV1デコード対応。エンコード/デコードエンジン強化。
- 接続性: Thunderbolt 5(最大120Gbps)、HDMI、SDXCカードスロット(MacBook Proのみ)。
特徴
- CPU性能はM1 Pro比で最大1.9倍、最新AI PCチップ(例:Intel Core Ultra 7 155H)比で2.1倍。
- GPU性能はM4の2倍、M3 Pro比で約30~40%向上(アプリ次第)。
- Thunderbolt 5をMacで初採用し、データ転送速度がThunderbolt 4の2倍以上に。
- メモリ帯域幅の大幅増加(273GB/秒)により、AIモデルや大規模データ処理が高速化。
- Apple IntelligenceやXcodeでの複数シミュレータ実行が高速かつ効率的。
用途
4K動画編集、アプリ開発、3Dモデリング、中規模AIワークロードに最適。クリエイティブプロやエンジニア向け。
M4 Max
概要: M4 MaxはM4シリーズの最上位モデルで、MacBook Pro 16インチ、Mac Studio、Mac mini(一部構成)に搭載。最高のパフォーマンスを求めるデータサイエンティスト、3Dアーティスト、音楽プロデューサー向けです。
仕様
- CPU: 最大16コア(12高性能コア+4高効率コア)。
- GPU: 最大40コア。レイトレーシング性能はM3 Maxの2倍。
- Neural Engine: 16コア、最大38兆オペレーション/秒。
- メモリ: 32GB、64GB、最大128GBのLPDDR5X統一メモリ(帯域幅546GB/秒)。
- 製造プロセス: TSMC第2世代3nm、トランジスタ数約570億(推定)。
- メディアエンジン: H.264、HEVC、ProRes、ProRes RAW、AV1デコード対応。2つのビデオエンコードエンジン、2つのProResエンジン搭載。
- 接続性: Thunderbolt 5(最大120Gbps)、HDMI、SDXCカードスロット(MacBook Proのみ)。
特徴
- CPU性能はM2 Max比で最大2倍、GPU性能はM2比で4倍。
- メモリ帯域幅546GB/秒は、M4 Proの2倍以上で、業界最高水準。
- マルチスレッド性能はM3 Proと同等以上、M4 Proを大きく上回る。
- 高負荷な3Dレンダリング(例:Blender)や8K動画編集で抜群の処理速度を発揮。
- 冷却ファン必須で、MacBook Pro 16インチでは最大60W以上の消費電力に対応。
用途
8K動画編集、大規模3Dレンダリング、AIトレーニング、プロオーディオ制作に最適。ハイエンドプロフェッショナル向け。
M4シリーズの共通特徴
- ARMv9アーキテクチャ: M4シリーズはARMv9.2aベース(LLVMではARMv8.7aとして認識)。Scalable Vector Extensionは非対応。
- 電力効率: M4はM2比で同性能時50%の電力、最新PCチップ比で25%の電力で動作。
- Apple Intelligence: Neural Engineの強化により、AIタスク(テキスト生成、画像処理)が高速化。
- デバイス展開: 2025年3月時点で、MacBook Air(13/15インチ)、MacBook Pro(14/16インチ)、Mac mini、iMac、iPad Pro、Mac Studioに搭載。
比較表
項目 | M4 | M4 Pro | M4 Max |
---|---|---|---|
CPUコア | 最大10コア | 最大14コア | 最大16コア |
GPUコア | 10コア | 最大20コア | 最大40コア |
メモリ | 8~24GB | 16~64GB | 32~128GB |
メモリ帯域幅 | 120GB/秒 | 273GB/秒 | 546GB/秒 |
Thunderbolt | Thunderbolt 4 | Thunderbolt 5 | Thunderbolt 5 |
主な用途 | 日常使い、軽作業 | プロ作業、中規模タスク | ハイエンドタスク |
Apple M4 MacBook Air 15とM4 MacBookPro 14の比較と選んだ理由
私が実際に購入にあたって比較した、両モデルの主要スペックを比較した表です。
実際にはM4 MacBook Air 15インチは256GBを買ったのですが、正直ストレージが足りず、Airを512GBに増やすかProの吊るしモデルで512GBとするか迷ったさいのものです。
項目 | MacBook Air 15インチ | MacBook Pro 14インチ |
---|---|---|
チップ | M4チップ 4つの高性能コアと6つの高効率コアを搭載した10コアCPU 10コアGPU ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング 16コアNeural Engine 120GB/sのメモリ帯域幅 | M4チップ 4つの高性能コアと6つの高効率コアを搭載した10コアCPU 10コアGPU ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング 16コアNeural Engine 120GB/sのメモリ帯域幅 |
上位チップApple Intelligence | 対応 | 対応 |
メモリ | 16GB | 16GB |
ストレージ | 512GB SSD | 256GB SSD |
ディスプレイ | Liquid Retinaディスプレイ 15.3インチ Liquid Retinaディスプレイ 2,880 x 1,864ピクセル 500ニトの輝度 | Liquid Retina XDRディスプレイ 14.2インチ ミニLEDバックライトディスプレイ 3,024 x 1,964ピクセル XDR輝度:1,000ニトの持続輝度 1,600ニトのピーク輝度(HDRコンテンツのみ) SDR輝度:最大1,000ニト(屋外) |
リフレッシュレート | 60Hz | 最大120Hz(ProMotion) |
バッテリー駆動時間 | 最大18時間 | 最大24時間 |
サイズ | 高さ:1.15cm 幅:34.04cm 奥行き:23.76cm | 高さ:1.55cm 幅:31.26cm 奥行き:22.12cm |
重量 | 1.51kg | 1.55kg |
カメラ | デスクビューに対応した12MPセンターフレームカメラ 1080p HDビデオ撮影 | デスクビューに対応した12MPセンターフレームカメラ 1080p HDビデオ撮影 |
スピーカー | フォースキャンセリングウーファーを備えた6スピーカーサウンドシステム 内蔵スピーカーでのドルビーアトモスの音楽またはビデオ再生時は空間オーディオに対応 対応するAirPods、AirPods Pro、AirPods Maxモデル使用時の空間オーディオとダイナミックヘッドトラッキング12 | フォースキャンセリングウーファーを備えた、原音に忠実な6スピーカーサウンドシステム ワイドなステレオサウンド 内蔵スピーカーでのドルビーアトモスの音楽またはビデオ再生時は空間オーディオに対応 対応するAirPods、AirPods Pro、AirPods Maxモデル使用時の空間オーディオとダイナミックヘッドトラッキング |
ワイヤレス | Wi-Fi 6E(802.11ax) Bluetooth 5.3 | Wi-Fi 6E(802.11ax) Bluetooth 5.3 |
ポート | Thunderbolt 4(UXB-C)×2 | Thunderbolt 4×3 HDMIポート SDXCカードスロット |
外部ディスプレイ | 2台(6K/60Hz) | 2台(M4) |
バッテリー | 66.5Whリチウムポリマーバッテリー内蔵 最大18時間のビデオストリーミング デュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタ 70W以上のUSB-C電源アダプタによる高速充電に対応 | 72.4Whリチウムポリマーバッテリー内蔵 最大24時間のビデオストリーミング 70W USB-C電源アダプタ 96W USB-C電源アダプタによる高速充電に対応 |
価格(税込) | 228,800円 | 248,800円 |
512GBでみた場合の金額差は2万円。20万円超の価格帯では誤差にしか感じられません。もうこのあたりで金銭感覚が麻痺しているのですが、36回払で購入した場合の1000円程度の差なので、価格だけでどちらを選ぶというのはなくなっていました。
ディスプレイのサイズでは圧倒的に15インチAirの方が作業領域が広く目が悪くなっている私には良かったです。一方で本体の大きさは15インチの大きさよりも14インチの方が使い勝手が良い。テーブルの上の専有面積が14インチはちょうど良い。本体の重さは40gしか変わらないので同じようなものです。基本的に持ち運びはM4 iPad Pro 11インチとMagic Keybordの役割になっているので、バックに入れて持ち運ぶことはありません。毎日仕事でバックに入れて持ち運ぶ想定かつiPad Pro 11インチを持っていなかったら、確実に13インチAirを選んでいました。1.21kgはそれほどまでに軽くて持ち運びやすいです。M1 MacBook 13インチを使っていたので実感済です。iPad Proも持ち運びを重視して13インチから11インチに変えました。重さや大きさは毎日仕事に持ち運ぶことを考えると軽いが正義だと痛感しています。
ディスプレイの美しさについては通常の作業をしている分には並べてもさほど大きな差は感じられません。ただHDRの動画を見た場合、その明暗の差と黒の引き締まり具体はミニLEDであるPROモデルがすごいと感じられますが、正直それだけでProにしたいとまでは感じられませんでした。
スピーカーはAirの15インチモデルは13インチの4スピーカーよりも音質が良く、低音が良く鳴ります。ただ中音域が弱く感じ、渡しの場合音を大きくしないとYouTubeのような動画で人の声が音楽によって聞き取りづらく感じる場面がありました。
Proは同じ6スピーカーでもそれを上回る高音質。高音、中音、低音のいずれもバランスよく、そして聞き取りやすい。人の声も音楽もはっきりと埋もれることなく聞き取れる。これを体感してしまうと、他のノートパソコンでは満足できない駄目な鼓膜になってしまいます。
バッテリーの持ちはさすがのProで、6時間差はエグいですが、持ち運びが少ない私からすれば充電回数が減る程度。両方に言えることですが、MacBookは閉じればスリープ、開けば瞬時に作業ができ、スタンバイ状態でもバッテリーがほとんど減らず、Windowsパソコンでは必須のシャットダウンは1ヶ月に1回するかしないか程度。Macはここに魅力を感じています。
私の使い方は基本ウェブブラウザベースのブログ更新作業や、Photoshopでの画像編集。
仕事で年数回、動画撮影をする際に動画編集をしますが、マシンパワーを使うのはその程度。
処理能力だけで選ぶならAirで十分。
ならなぜにProにしたか、それはHDMIポートとUSBポートが左右にある。
地味にHDMIは頻繁に使うし、右側にUSBポートがあると使いやすい。
USBハブを使えば解決するのはわかりますが、本体だけで完結させることができるスマートな作業性は贅沢なPC作業環境をもたらせてくれます。
そして何よりモバイル系Apple製品の全てをProモデルにしたことによる自己満足ですが、達成感に心が踊ります。あとはせっかくデバイス連携環境が整っているので、それを使いこなすよう勉強に勤しむのみです。
画像レビュー
M4 MacBook Air 15の新色スカイブルーは光の当たり具合で色味が変わる楽しさがあります。
蛍光灯の下ではシルバーに見えることがありますが、自然光や少し暗い環境下ではきっちりとメタリックな上品な青味をみせてくれます。



M4 MacBook Air 15インチの本体重量は1,512g。

M4 MacBook Pro 15インチの本体重量は1,537g。
25gしか変わらない。
目隠しされてどっちだと言われても判別できない重量差。
画面の大きさは小さくても、本体の厚みや冷却ファンが内蔵されているのが重さにきているのでしょうか?

M4 iPad Proは485g。タブレットとしては思い方ですが、13インチと比べれば雲泥の差。
セルラーモデルにして、仕事の出張先や外出時にはカバンの大きさも選ばず、満員電車でバックを手に持った状態でもさほど苦になりません。むしろ、会社のウインドウズノートパソコンが重いのでどうにかしてほしい感があります。

iPad ProにMagic Keybordつけると1123gと、MacBook Air 13インチに肉薄する重量級の重さに。
安定感やタイピングのしやすさは折り紙付きですが、マジックキーボードはもうちょい軽くならないでしょうかね。

15インチと14インチの差。
ディスプレイのベゼル幅がAirの方があるとはいえ、横幅が特に広い。
新幹線のテーブルや、喫茶店で広げる時は14インチがしっくりきます。

厚みはProがディスプレイ部分がそのままAirよりも厚いのがわかります。Air薄いよね。

並べてみても15インチ大きいです。
その分作業領域も広いので良いとは思いますけど。

MacBook Proのスペースブラックは深みのある黒色でカッコ良い。
Airのキュートさも捨てがたいですが、中年男性はこちらの方が違和感ない(笑)

本体背面には「MacBook Pro」の刻印が刻まれています。
見えないところにこういうワンポイントいれるところがアップルの上位機種をつ醍醐味。


このHDMIポートがAirにあったら良かったのにとつくづく思います。

MagSafe充電がありますが、机周りにケーブルを増やしたくないし、急速充電や高負荷作業がほぼないので、普通のUSBタイプCの充電ケーブル使って充電しています。

Airと違いProには冷却ファンが内蔵されているため、その送風口があります。
高い負荷をかける作業でも安定した動作が見込める反面、冷却ファンの異音等の経年劣化等による故障や、送風口から中にホコリや変なゴミや虫が入ったりする可能性も無きにしもあらずというのはデメリット。M4チップは発熱性が低いので冷却ファン自体は普段は動かないので気になりませんが、違うところでマイナス点を感じてしまいます。潔癖症ではないですが気分的に。

画面の情報量も15インチAirの方がテキスト4行分多い。作業効率は上がりますね。

色味は並べなければ両方ともきれい。ただし反射や映り込みは画面の黒い部分が多いほど影響が大きい。
色味は調整とかあるのかもしれないですが、Proの方が深みがある気がしますが、比較しなければAirでもそんじょそこらのノートパソコンには負けない画質。発色数が10億色とかもでるんだからすごい。

打鍵感はProの方が高級感がある気がしますが、Proという言葉への先入観があるからかもしれませんけど。
AirとProや画面サイズ含め悩んでいるのであれば、確実に実際の店頭で見て触れて比較することをおすすめします。

Airのキーボードから「かな」は「あいう」、「英数」が「ABC」に変更なっています。
これからのスタンダードになりそうですね。


