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【私たちはどうかしている】10巻 レビュー:全員が攻めに入って収集がつかない事態

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安藤なつみの少女漫画『私たちはどうかしている 10巻』の少しネタバレありレビューです。

私たちはどうかしている レビュー

ヒロインの「花岡 七桜(なお)」は光月庵に復讐を誓い、自らの店舗「花がすみ」を七桜へ好意をもつ多喜川のサポートでオープンさせる。
一方で菓子の老舗「光月庵」の御曹司「高月 椿」は目に不調を抱えるも何とか現場へ復活をとげる。
ライバル同士の二人だが、共同で観光地の和菓子を作ることになり温泉宿へ赴く。そこで二人は風呂で鉢合わせになる。

そしてお互いにお菓子談義で盛り上がるうちに、想いが暴走する。

憎しみではなく、本当の愛情をもっている七桜は、椿を光月庵の呪いから解放するためにあらゆる手段をこうじていく。

登場人物全員が個の思惑をストレートに激しくぶつけ合う

私たちはどうかしている 10巻の見どころは何と言っても、主要登場人物全員が思いの丈をストレートにぶつけ合うガチンコ勝負になっていること。
9巻までの展開が生ぬるいと思うくらいに、全員が攻めに入ります。
椿の元婚約者の栞は、椿の子を妊娠していると女将に告げる。

女将はすぐに結婚式を挙げ、光月庵の跡取りができたことに歓喜する。
しかし、それは栞の嘘。椿との仲を既成事実化しようという策略。
諦めきれない、二度と失いたくない一心で口にしてしまった虚言。
もちろん子供ができるようなことなど一度もない仲。妊娠したこと、結婚式のこと、急に降って湧いたことに事実を確かめる椿。
栞は椿の子供をくださいと懇願する。それは椿の心が栞にないことを知った上での願い。そこまで追い詰められていた。

椿はそれに応えることはなかった。なぜなら心のなかには七桜しかいないのだから。

動いているのは敵方だけではなかった。
七桜を全力でサポートしている多喜川も身近でまっすぐにお菓子への情熱を持ち続けて闘う姿に惹かれはじめる。

眩しくて、愛おしい・・・

今までなんでも中途半端だった多喜川が本気を出し始める。

光月庵の反映を影で支えていた溝口議員。女将と関係をもっていたことをつきとめた七桜は正面からそれをぶつける。

もう遠回りはしない。
全員が守りを捨て攻めに入ったことで、物語は核心へと急加速していく。

そして物語は、私たちはどうかしているのすべての発端となった事件を再来させるというかたちで女将の罠が七桜と椿を襲う。

終始ダレることなく激しく物語が展開されています。もうムダなカットがないんじゃないかと思うくらいサスペンスのスパイスが凝縮されています。
コミック12巻は2019年12月発売。もう次の巻が待ち遠しくてたまりません。

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