2020年10月1日、日本の金融市場は混乱に陥った。
東京証券取引所が株価の情報を配信するシステムにトラブルが生じ、10月1日は終日にわたって全銘柄の取り引きを停止するという、1999年5月の株式売買が全面的にシステム化されて以降、最大のトラブルであり前代未聞の不具合となった。
終日取引全面停止
10月1日午前9時前に株価などの情報を配信するシステムにトラブルが発生、正午前に終日全銘柄の取り引きを停止すると発表した。
過去には2005年11月には株式売買システムのトラブルにより3時間にわたる取引全面停止、2006年1月にはライブドア事件によるパニック売りの大量取引でシステム処理能力が追いつかずに午後に取引全面停止、2018年10月には証券会社から注文を受け付けるシステム障害で証券会社の一部で株式やETFの売買ができなくなることがおきている。
東証のシステムトラブルの影響で、同システムを使っている名古屋証券取引所、福岡証券取引所、札幌証券取引所でも全銘柄の取り引きが停止。
別システムを使っていた大阪取引所は通常通りの取引が行われている。
すべての銘柄の取り引きが終日停止されるのは、株式の売買が全面的にシステム化された1999年5月以降で初めてという前代未聞のトラブル。
原因は株価情報配信機器の故障
今回のトラブルの原因について宮原幸一郎社長の会見で以下のように説明されている。
「けさ午前7時4分に売買システムの装置の故障が発生したことにともない相場情報配信業務や売買監視業務に異常が発生した。これにより相場情報が正確に配信できなくなった。システム再起動を行った場合は投資家や市場参加者に混乱が生じることが想定された。内外の市場参加者とも協議したところ、今日再開した場合は顧客対応や円滑な売買の実施は難しいという要請もあり、終日売買停止をすることとした」
東証のウェブサイトでは「現在、ハードウエアについては交換を予定しており、メンテナンスなどを含めてあす以降、正常な売買ができるよう対応を行っている」としている。
10月2日は通常通りの取引が行えそうだが、10月1日という月初、四半期の最初の月ということなど、投資家のみならず企業にとっても大きな影響を与えている可能性がある。