マネマネにちにち第1話レビュー：山本節炸裂の青春ラブコメ

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ゲッサン 2024年8月号掲載の山本崇一朗氏の新作漫画『マネマネにちにち』の第1話についてネタバレありの感想記事です。

ゲッサン 2024年 08 月号 [雑誌]

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マネマネにちにちあらすじ

本日もはりきって放課後！
とある高校の硬式野球部マネージャーたちの日日是好日。

マネマネにちにちレビュー

山本崇一朗氏の新連載『マネマネにちにち』。
3人のマネージャーとそこに属している硬式野球部の男子学生たちとの青春ラブコメ漫画。
嬉しいことに4話掲載。
基本的には3人のマネージャー中心とした、山本崇一朗テイストに仕上がった日常系漫画になっています。
そこに垣間見える男子高校生との恋愛スパイスも絡ませていますが、不快感を感じさせない巧みな構成が素晴らしいです。

メインのマネージャーは3人。

渚　茜（なぎさ　あかね）

しょっぱなから、マネージャーでありながら「ルールとか、まったくわからんけど。」と読者が一斉にツッコミを入れたくような発言をする本作の中心的な存在の渚。
ツインテールでおそらく主人公。野球部に入った理由は「なんかモテそうだったから」という不純な動機。
野球に興味も知識もないくらい舐めていると言われても反論できない状況。
ふざけてばかりいるようですが、見えないところでボールを一球一球丁寧に白く磨き上げるなど、根は真面目。

一ノ瀬　かりな（いちのせ　かりな）

褐色金髪なギャル系でありながら、マネージャーになった理由は「野球が好きで何か関わりたい」と唯一まともだったりすることからもわかるように、外見とは裏腹に野球への愛情はもちろん、対人関係においても見た目で誤解はされているが、まともなマネージャーだろう。悪い行いは姫宮だったりしても一ノ瀬だろうと誤解されるなど、見た目で損をしている可哀想なポジションである。
プレーに対してもきちんと言葉にして称賛してくれるなど、選手を奮起させる（惚れさせる？）ことで信頼も獲得していっているように見える。

姫宮　ユキ（ひめみや　ゆき）

パット見で一番まともそうに見えることから、野球部員の評価は高く、良い行いは姫宮がやっているのだろうと勝手に思い込まれたりする得なポジション。
入部理由が恋色沙汰という、軟派な理由。
しかもエース投手が彼氏だったというのも過去となり、今はレギュラー捕手と付き合っている。
そのおかげでバッテリーが調子悪い。
ほんわかとしているが、野球部としては一番いてはいけない存在なのかもしれない。
今月号を読む限りでは唯一嫌悪感を抱いたキャラクター。
これから挽回してくれることに期待。

さて、話は本作の内容に戻りますが、内容は渚が本当に面白いくらいに読者を脱力させてくれます。

たたみかけるように知っている野球用語としてひねり出した第一声が「ケツバット」。

野球ではなく昔の体罰。
そのあとに「実体験のない知識なんて価値ない」と良いこといいます。
が、その体験がケツバットって・・・

山本崇一朗先生の素晴らしい性癖描写を拝めるのでありがたいのですが、飲み食いしながらこの漫画は読まない方が良いです。口の中のものを吹き出す場面が目白押しですから。
おしりを差し出す渚自身が「なんでこうなるんだ」とか自分にツッコミを入れているそばで、他の二人のマネージャーが「渚、最初絶対グーしかださない」ということを知っていることを暴露していたり、もうどれだけボケツッコミを一人でかましているんだか。テンションとばしまくりです。

そしてもう一つ山本崇一朗先生の漫画の特徴が「ぶはぁ！」とかの言葉になっていないけど可愛らしいヒロインの口から発せられる効果音。
今回も山本崇一朗ワールド健在です。

このムダにみえるマネージャーたちのやりとしも、野球部員に実は貢献するという巧みな絡み。
練習で怒られ才能がないからもう選手を諦めてマネージャーで野球に関わっていこうかと、思い悩む男子部員を思いとどまらせます。

はたから見ればマネージャーのシゴキのように見えますが、本当にいろいろな意味で汚い（笑）

このようにギャグが目白押しですが、恋色沙汰も適所に散りばめられています。

姫宮のバッテリー三角関係は問題外ですが、一ノ瀬からプレーを褒めてもらえた選手は片思いモードの片鱗が伺えます。
そして渚と幼馴染の烏丸選手。
軽口をたたきあう二人。
「案外胸もあるんだぞ」と挑発するかのようにいう渚に、「そういうとこがモテない」とバッサリきるも、テーピングしながらの上目遣いに照れ隠しのように目を背ける烏丸。